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10月20日-21日、東京都奥多摩山系で日本最大の山岳レース「ハセツネCUP」が開催された。パワースポーツは4年前からこのレースに協賛している。トレランではパワースポーツ発足時からプロモーションを行なってきたので、ハセツネでのパワーバー・パワージェルの使用率は高い。毎年、受付開場の体育館には多くのアウトドアメーカーやアウトドアショップが出展するのだが、今年はさらに多く20社近くのブースが立ち並んだ。
自分は毎年このレースに参加しており出展回数同様、今年で4回目となった。昨年は残念ながら第2関門でリタイヤ。レース1週間前に与那国島から西表島まで約80kmをシーカヤックでノンストップ横断したつけがまわり、背中の筋肉が悲鳴をあげ第二関門から動けなくなってしまったのだ。前回のコラムのように今年もレース2日前に日本初となる宮古島から石垣島120kmシーカヤック横断を行なったが、今回は60km×2日間。昨年よりも多少ダメージが少ないと見た。
シーカヤック横断から2日しか時間がなかったので、自分の事前準備が出来ず、スタート1時間位前になってブースが落ち着いてから、ようやくレースの準備を始めた。バックパックやボトル、ヘッドライトの電池など忘れてきたのに気づき、アートスポーツブースで買い揃える。まさかバックパックを忘れるなんて。気を取り直してスタートラインに立った。
レーススタート。天候にも恵まれ路面状況もよいこともあり、いつもよりペースが速いようだ。自分にとって明らかにオーバーペース。けれど、同じペースの集団に入ってしまったため、一人ペースを落とすことが出来ず、人間ベルトコンベアに乗せられた気分で進んでいった。第一・第二関門を通過。いつもはこの辺りで全身痙攣が起こり、大幅なスピードダウンを強いられるのだが、今年は調子が良かった。あとから思ったのだが、2日前、悪条件の中強行したシーカヤックの緊張感がまだ持続していて、大波が襲う海上ではなく安全な陸地、動いていれば必ずフィニッシュが訪れること、結果はどうあれ自分の気持ちが切れなければ勝ち!と思い描きながら走っていたことが良かったのだろう、ここまでは。
第三関門過ぎてから気持ちが切れはじめた。このままで行けば10時間台。「でもいいや。」弱気になり始めた自分。そんな自分がいやになったが、足が思うように進まない。途中何度も岩や根っこに引っかかり転倒する。残りアスファルトの下り坂。少し気を取り直し10時間台目指し走り出した。しかし結果は11時間1分40秒。たったの1分40秒が切れなかった。最後の最後で自分自身に負けてしまった。普通の人から見ればよい記録かもしれない。たったの1分40秒。けれど、ずっしりと重い1分40秒になってしまった。
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