夏休み、東北の山へ行ってきた。八幡平、三ッ石山、岩手山、乳頭山、秋田駒ケ岳etc。東北の山は低山で歩きやすく(走りやすく)、快適な登山道だと思う。今回行った山々は十和田湖八幡平国立公園。天気がよく、登山道から360度見渡せる絶景に感激しながらトレイルを楽しんだ。気がついたことは、これほど素晴らしい山々なのに、わずかな人としかすれ違うことがなく、若い年代(20歳代〜40歳代)の登山者は皆無だったということ。昭和の時代は、自然が壊されず身近に山があり、登山は一般的な娯楽だったと思う。そして時間に余裕が出てきた中高年の方々が、再び山に導かれ、今のハイキングブームにつながったと推測する。これからの山はどうだろう?今の30、40歳代は幼少時代や学生時代はバブル全盛期で遊び場が豊富にあった。親が山好きで連れて行ってもらう以外は、山に行く機会が少なかったと推測する。ましてや今の子供たちが山へ行くことさらに少ないだろう。 自分の休日は、トレイル探索に全国各地の山々へ行くことが多いのだが、登山道に人が入らず荒廃している道が多いことに気づく。地方に行くとメインの登山道も草刈りをされず、夏季は通行しづらくなっているのが現状だ。そんな中、今のトレイルランニングブームで、都心圏内の山にトレイルランナーが入り、アウトドア業界では活気を取り戻そうとしている。まだまだ誤解されがちなトレイルランニングだけど、普段、山に入っているトレイルランナーはマナーをわきまえている人が多い。「トレイルをはずさない。登山者には配慮し元気よく挨拶をする。ゴミは持ち帰る。怪我などの応急処置は自分で行なう。体力を持ち合わせている。等等」。ふと思ったことが、マナーを心得たトレイルランナーが地方の山々に行くことで、登山道の利用が促進され、そして子供たちにも山の素晴らしさを伝えられ、登山道の荒廃も進まず山がいつまでも元気でいられるのではないだろうか。熟練のハイカーと同じように多くのトレイルランナーは、山でのルールや自然保護に関心を持っている人が多いと信じている。体力を備えているので、怪我の応急処置や緊急時の対応など、登山者にとっても大きな見方になってくるかもしれない。 国立公園や国定公園、自然公園の「保護と利用」。これらの場所ではオーバーユースの所もあれば、利用されず荒廃するところもある。人気の場所は欧米のように1日の利用者の人数制限をし、ハイカーとランナーの共存を図る。またトレイルランニングを楽しむ時間やコースを定めるのもいいだろう。荒廃する場所は積極的にトレイルランナーに開放し登山道の利用を促進させる。環境省が定める特別保護地区や第一種保護地区など、なぜ保護しなければならないのか、どこからどこまでがその地区に当てはまるのか、その場所に看板を設置するなど、一般の人にも分かりやすく説明することも必要だと思う。 これからのトレイルレースはどうなるのか。トレイルランが様々なメディアに取り上げられ、環境省は対応に苦慮しているように思える。提案だが、環境省の関係機関にトレイルランニング課などを作り、地方自治体からトレイルレース開催の意向を聞き、この地区ならこの辺りのコース、人数は○○○人位が適当、特別ルールの設定など、大まかな指導を行なえば、うまく行くのではと漠然と思っている。あいまいな意見や決定づけない対応では何も進まないと思う。