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「八重山諸島シーカヤック横断ツアー」チャレンジリポート!

 半年間トレーニングを積んできたシーカヤック横断ツアーのメンバーたち。ついにその日がやって来た。しかし悪天候のため、予定していた石垣島〜黒島〜小浜島〜石垣島という八重山諸島横断スケジュールは断念。11月23日、まずは船で西表島へ渡り、仲間川の源流まで往復約15km、ウォーミングアップを兼ねて漕いだ。メンバーたちは鎌倉で一緒にトレーニングしてきた仲間だが、今回のツアー八幡隊長はメンバーたちとほぼ初対面。このウォーミングアップで彼ら彼女らの力量を見定め、明日島渡りするタンデム艇のペアを決めた。
 今回、変更して目標を定めた島渡りは、西表島から小浜島までの9km。そう、たったの9kmだ。島渡り当日24日朝、出発地点仲間川河口にメンバーは集まってきた。その日、波4m、風速13mという最悪の条件。たとえ9kmといえども、そんな悪条件での島渡りは普通なら考えられない。けれどトレーニングを積んできたメンバーたちのマインドは高かった。八幡隊長の「さぁ、行こっか!」。さりげない掛け声でメンバーたちは目の前に見えている小浜島を目指して漕ぎ出した。
 向かい風、向かい潮の中、みんな必死にパドルを振り回す、が、スピードは出ない。時速1kmがいいところ。カヤック全艇固まって航行する計画がレベルに差が出てバラケだす。スタッフはみんな遅いカヤックを牽引しに行く。先を行くカヤックは、強烈な向かい潮で留まる事が出来ず、仲間のカヤックを待つことが出来なかった。すでにスタートして6時間が経とうとしていたが、目前にある小浜島は中々近づいて来ない。牽引し終わったスタッフがトップに戻り小浜島の上陸地点を指示し、ふたたび後方グループのサポートに回る。予想外の展開だが、メンバーたちは戸惑いながらも持てる力を振り絞り、小浜島を目指した。そして、西表島をスタートしてから約9時間後、メンバー全員小浜島にたどり着いた。「たったの9km、されど9km。」長い長い9kmのチャレンジは終わった。
 神が与えてくれた海。その海の雄大さ、自然の恐ろしさを体験したこのチャレンジが、今後、メンバーたちの人生において、少しでも勇気を与えてくれる思い出として刻まれればと思う。そして、自分がその時間を共有することが出来て幸せだった。
 さて来年。今回出来なかった八重山諸島横断、もしくは新たな目標を定め、彼ら彼女ら、そして、新たなチャレンジャーが海を渡っていくのだろう。
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