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OSJ志賀野反トレイルレース開催リポート

 OSJ志賀野反トレイルレースは、パワースポーツ始まって以来の悪コンディションでの開催となった。

 前日のアウトドアスポーツエキスポ会場の志賀高原は晴れ渡り、6月末にしては少し汗ばむ絶好の行楽日和。エキスポ会場には、国内有数のアウトドアスポーツメーカーやアウトドアショップが立ち並び、レース登録にやってくるトレイルランナーたちで賑わっていた。夕方から開催された競技説明会を兼ねたパーティーには、明日のレースに挑むトレイルランナーたちで熱気ムンムン。コース説明に真剣な眼差しで耳を傾けていた。

 明日の天気予報は降水確率80%。先日開催した「RWS・イン・座間味」では、雨予報が覆り、絶好の水泳日和となっただけに期待をしていたが、レース当日、雨音で目が覚めてしまった。これからも雨が強まるようで少し落胆した。

 パワースポーツ、そしてザ・ノース・フェイスもこのレースにかける思いは、言葉で言い尽くせないくらい強い。昨年開催した「OSJハコネ50K」は、不備なく成功したにも関わらず中止に追い込まれた。その代わりのレースとは思われたくない。コースは長野オリンピックが開催された世界的なリゾート地・志賀高原と、神秘的で誰もがその美しさに感動する野反湖が舞台だ。景観、トレイル、温泉など、どれをとっても箱根に匹敵する。けれど、徹底的に違うのは運営の難しさ。2000m級の山々がコースとなるためエスケープルートがなくリタイヤ者の搬送が困難なこと、エイド用水の荷揚げやスタッフ配置、コースマーキングの準備時間など、問題は山積みだった。そして、開催地が県をまたぐため、関係諸機関の調整がレース直前までかかった。コース上には、ザ・ノース・フェイスや地元山岳会の山のスペシャリスト、スポーツトレーナーが配置、各ポイントに救急セット、毛布、AEDを装備して万全の体制で参加者を迎えた。

 40km部門スタート直前。降りしきる雨に考えた。「参加者はスペシャリストだけではない。」「レース後のトレイルの状況は。」即決した「野反湖を周回せず、志賀高原から野反湖までの26kmコースに変更」。悔しがる選手、ホッとした選手、いろいろだったと思う。この場、その時には最適な判断をしたと思った。AM6:00に40km改め26kmがスタート。無線のやり取りを行いながら、フィニッシュ地点の野反湖へと車を走らせた。AM8:00に野反湖到着。15km部門のスタートを選手送迎バスの遅れにより20分延ばし、AM8:20に15kmの部門がスタート。スタートして3時間を過ぎたところで26km部門の選手が飛び込んできた。3時間17秒でフィニッシュ。富士登山競走優勝者・後藤豊選手だった。そして、トレイルラン第一人者の鏑木毅選手が約4分後にフィニッシュ。女子優勝はザ・ノース・フェイス・アスリートの佐藤浩巳選手。そして小川比登美選手が続いた。15km部門は実力どおり男子が松本大選手、女子は中澤尚子選手が優勝した。

 PM3:00を過ぎたころ、最後尾の選手についているスイーパーの無線が取れなくなり、急遽、コースを逆送した。フィニッシュに向かって来る選手たちに声援を送りながら。一点を見つめ、一歩一歩前に進む選手たちの眼差しは澄んでいた。声を掛けると苦しいはずなのに笑顔で応えてくれた。パワーをもらいながら最後尾の選手を目指した。やっとオッタテ峰付近で合流。元気そうだった。体力が限界の選手たちは、コース上、唯一のエスケープルート(けれど徒歩で1時間以上かかる。)でザ・ノース・フェイスのコーススタッフがその都度往復して選手を降ろした。毛布や自分のウィンドブレーカーを羽織らして。選手のことを思い、自分ができる最善の方策を考え行動する「ザ・ノース・フェイス」のスタッフたち。脱帽だった。

 レースを考えると、最悪のコンディションで大きな事故がなく終了できたことは、今後のレース運営に励みになった。けれど、トレイルが荒れてしまったのは事実。来年に繋げるためにもトレイル修復活動を行いたいと思う。

 最後にこのレースにご協力いただきました志賀高原観光協会様、六合村様をはじめとした関係各所の皆様、ザ・ノース・フェイス様をはじめとしたご協賛各社様、そして、悪天候の中でもご参加いただいた選手の皆様、本当にありがとうございました。


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