5月31日(日)、今年で7回目となるOSJ奥久慈トレイルレースを開催しました。昨年からショートクラスの30km部門が追加され、今年の参加者は50km部門、30km部門を合わせて1,000名を上回るという大人気レースに成長しました。全国各地の人気レースというとアクセスが良く都心から行きやすい場所、シングルトラックがメインのフカフカなトレイル、最後まで走らせてくれる制限時間が長いレースというのが鉄則のような気がしますが、奥久慈は一味違います。最寄りの駅に停車する電車は1時間に一本がいいところ、インターチェンジから1時間以上離れていてアクセスがすこぶる悪い。シングルトラックはあるにはあるがアップダウンが激しく、気持ちよく走れる部分はほんの少し。50km部門の完走率が30%と恐ろしく低い。なのに、募集開始後、即定員になるという人気ぶり。一体どうなっているのでしょうか。
そんな奥久慈の人気の秘密は、これ程までキツイコースを汗水鼻水垂らし涙しながら進むという非日常的な経験ができる、通常なら完走が普通なのにどの関門まで行けるかを試すレースである、人情溢れる限界集落のおじぃおばぁの応援など。そうなんです、みんな奥久慈でボロボロになりたい、そして癒されたいのです。
レース前日
レース直前
30km部門
昨年は50km部門に参加させて頂いたので、今年は30km部門を体験させていただきました。コースは、竜神大橋をスタートし渋滞緩和のため、しばしロードをグルッとしてからシングルトラックの登りに突入。距離は短いけど急な登りで息が上がります。ひと山越えて赤岩という可愛らしい集落に到着。ここに名物の施設エイドがあります。30km部門では朝が早いので応援のみですが、おじぃおばぁが総出で出迎えてくれました。そして林道を通り、寺沢入ハイキングコースへ。ここは人がほとんど入ってなく、トレイルがはっきりしていないアドベンチャー気分満載の面白いコースです。(私はここで不意を突かれ岩に頭を強打!流血してしまいました。)ハイキングコースを終えると東金砂神社まで約4kmの登りのロードをひた進みます。そしてスタートから9km地点の第一関門に到着。第一関門から第二関門まで約11kmは稜線に延びる景観抜群の林道を走ります。ここを飛ばせればタイムを大きく稼ぐことが出来ます。林道からシングルの下り、そしてロードを少し行くとスタートから20km地点の第二関門に到着。第三関門は、ひと山越えた日本の里100選に選ばれたほのぼのとした持方集落です。第三関門からフィニッシュまでの7kmの月居山ハイキングコースはアップダウンが激しい手ごわいコース。集中力を切らさないように足元を注意して進みます。月居山を超え、あとは快適な下りのシングルを軽快に飛ばして袋田の滝第二駐車場でフィニッシュ。参加してみた感想は「超楽しい!」この一言につきました。制限時間が長いので、平地はジョギング、ロードの登りやトレイルは早歩きで進めば完走できます。トレイルレース初参戦の方でもお奨めできる30km部門ですね。レース!
エイドステーション
50km部門(レース攻略法っぽく)
初めて参加される方は、参加する前にコースをしっかりと把握することが肝心。可能ならコース視察をすることをお奨めします。アップダウン激しいハイキングコース、岩場や木の根っ子などテクニックが必要とされるシングルトラック、稜線に延びる林道、傾斜のあるロードなど、コースレイアウトをイメージしてスタートすれば、完走も見えてきます。昨年、参加者のみなさんにアドバイスをしようとコースを確認しながら80%位のイメージで参戦したのですが、スタートからフィニッシュまでのペース配分は、下記のようなパーセンテージで進めればいいのではと思いました。■区間毎のタイム配分
スタート〜第一関門 | [11km] | 15% |
第一関門〜第二関門 | [15km/合計26km] | 25% |
第二関門〜第三関門 | [20km/合計46km] | 30% |
第三関門〜第四関門 | [5km/合計51km] | 10% |
第四関門〜フィニッシュ | [6km/合計57km] | 20% |
■目標タイム毎の各セクションのタイム配分
〇制限時間内(14時間)の完走を目指す方 | 〇12時間でフィニッシュを目指す方 | |||
スタート〜第一関門 | 2時間06分 | スタート〜第一関門 | 1時間48分 | |
第一関門〜第二関門 | 3時間30分( 5時間36分) | 第一関門〜第二関門 | 3時間00分( 4時間48分) | |
第二関門〜第三関門 | 4時間12分( 9時間48分) | 第二関門〜第三関門 | 3時間36分( 8時間12分) | |
第三関門〜第四関門 | 1時間24分(11時間12分) | 第三関門〜第四関門 | 1時間12分( 9時間24分) | |
第四関門〜フィニッシュ | 2時間48分(14時間00分) | 第四関門〜フィニッシュ | 2時間24分(11時間48分) | |
〇10時間でフィニッシュを目指す方 | ||||
スタート〜第一関門 | 1時間30分 | |||
第一関門〜第二関門 | 2時間30分( 4時間) | |||
第二関門〜第三関門 | 3時間00分( 7時間) | |||
第三関門〜第四関門 | 1時間00分( 8時間) | |||
第四関門〜フィニッシュ | 2時間00分(10時間) |
来年のコースはまだ確定していませんが、基本的には各セクションを組み合わせてコースが決まります。もし同じコースなら上記を参考にフィニッシュを目指してみてください。
フィニッシュ
リザルト:50K
総合 順位 |
No. | 氏名 | 性別 | 総合 記録 |
CP1 時刻 |
CP2 時刻 |
CP3 時刻 |
CP4 時刻 |
男子 順位 |
女子 順位 |
年齢 区分 |
年齡 別順 |
チーム名 |
1 | 1 | 平澤 賢市 | 男 | 7:35:13 | 6:50:46 | 9:11:35 | 11:27:46 | 12:03:10 | 1 | 30代男子 | オーク製作所 | ||
2 | 202 | 沓掛 健一 | 男 | 8:07:27 | 6:59:41 | 9:25:26 | 11:45:53 | 12:25:33 | 2 | 30代男子 | |||
3 | 464 | 西原 隆之 | 男 | 8:11:00 | 7:02:19 | 9:38:35 | 12:03:54 | 12:37:29 | 3 | 30代男子 | チームすがやー | ||
4 | 361 | 高橋 和之 | 男 | 8:11:04 | 6:59:40 | 9:32:56 | 12:04:02 | 12:38:47 | 4 | 30代男子 | すぽるちば | ||
5 | 115 | 大西 靖之 | 男 | 8:28:25 | 6:59:46 | 9:45:07 | 12:21:18 | 12:55:39 | 5 | 40代男子 | ピッカリ大魔王 |
リザルト:30K
総合 順位 |
No. | 氏名 | 性別 | 総合 記録 |
CP3 時刻 |
CP4 時刻 |
男子 順位 |
女子順位 | 年齢 区分 |
年齡 別順 |
チーム名 |
1 | 1157 | 反中 祐介 | 男 | 3:35:42 | 9:00:23 | 9:31:45 | 1 | 20代男子 | SALOMON SUUNTO 神田店 | ||
2 | 1175 | 中村 大輔 | 男 | 3:37:09 | 9:06:54 | 9:37:55 | 2 | 30代男子 | かねこクリニック | ||
3 | 1225 | 町田 知宏 | 男 | 3:37:32 | 9:04:40 | 9:35:36 | 3 | 20代男子 | |||
4 | 1260 | 吉川 英太郎 | 男 | 3:39:30 | 9:04:48 | 9:36:19 | 4 | 30代男子 | 通信山岳部 | ||
5 | 1145 | 滝川 次郎 | 男 | 3:56:48 | 9:14:11 | 9:48:32 | 5 | 50代男子 |
雨の予報が一転して、好天に恵まれたOSJ奥久慈トレイルレース。梅雨に入る前の絶好のコンディションの中、30km部門に参加させていただいたのですが、コース上でハイカーに出会うことはありませんでした。もちろんこのレースがあることでハイキングを控えた方もいらっしゃったと思いますが、高齢化により人口が減少している自治体で、奥久慈のような小さな集落を巡る未知なる里山がコースとなったトレイルレース開催が理想なんでしょうね。これからも地域活性化に貢献出来るアウトドアスポーツの普及活動に力を注いでいきたいと思います!