地域振興が目的で始まった「OSJ奥久慈トレイル50k」は、今回で4回目を迎えました。昨年は東日本大震災の影響で日程を延期して開催しましたが、被害を受けた奥久慈の復興支援の意味合いもあり、たくさんの方々が参加してくれました。今年は世界で活躍する海外選手や国内トップトレイルランナーが参加したUTMF(ウルトラトレイル・マウントフジ)の開催や人気トレイルレースの日程が重なっていたので、参加者が減ってしまうのではと危惧していましたが、そんな心配も何のその、昨年より2割以上多くのトレイルランナーが参戦してくれました。
 レース前日のウェルカムパーティー。会場にはエイアンドエフ、サロモン、ナムチェバザール、さかいやスポーツ、そしてパワーバーのブースが立並び、多くの方が最新のグッズやお買い得のレース必需品を物色。この大会の名物というとパーティーやエイドステーションでの手作り料理。今年も奥久慈ならではの食材に参加者は大喜び。お腹も満たされた後、ゲストランナー鏑木毅さんによる完走アドバイス、そして例年の逆周りとなった新コースの説明。20時にはパーティーは終了し、選手たちは明日のスタートに備えました。

レース前日


スタート前

 レース当日はよく晴れ、絶好のレース日和となりました。参加者はOSJトレイルシリーズチャンピオンの平澤選手(男子)、須藤選手(女子)を含めた上位常連のみなさんに、スペシャルゲストとして鏑木選手が参戦してくれ、トップ争いの行方も大きな話題に。


レース前半

 以下のレポートはコース紹介を兼ねてお届けします。
 AM5:30、大子町から一斉にスタート。まずはロードで三大名瀑である「袋田の滝」を巡り、月寄山登山口からトレイルへ。走りがいのあるアップダウンコース、先の長い道のりを考え進みます。一旦ロードに出て再度白木山へのトレイルに入り約11km地点の第一関門へ。第一関門を過ぎると男体山の頂上目指し駆け上がり、頂上から一気に下って大円地へ。大円地から湯沢峡(エイドステーション)の間がこのレースのポイント。トリッキーなアップダウントレイルが身体全体を疲労させるので、ペースを乱さずこの区間を難なく乗り切ることが、第二関門を突破できる重要なポイントになりました。


レース後半

 湯沢峡から第二関門の区間は、クサリ場の急登にリバートレック、川渡りなど、アドベンチャートレイルが続きます。亀ヶ淵にでたらしばらくロードを走り、竜神大橋への急階段を登り切り約25km地点の第二関門へ。ここまで来れば満足と制限時間が残っていてもリタイヤする人が幾人か。
 第二関門をスタートし、すっかりと名物になった可愛らしい集落「赤岩」の施設エイドステーションを過ぎ、寺入沢のアドベンチャーコースを楽しんもらい、東金砂神社までの急登(ロード)をひた走ります。東金砂神社でのエイドでひと休憩。鍋足山までの走りやすい尾根林道を走り、ロードに出たら約44地点の第二関門到着。ここでトップ集団にハプニング。設置していた矢印が外されてしまいトップグループがコースアウト。急遽、外れたコースを正式コースとしてレース続行。ただ一人OSJシリーズチャンピオンの平澤選手がタイムロスをしてしまいました。第三関門からは一部トレイルはあるけど、ロードがメイン。整備された林道(ロード)を駆け、武生神社から亀が淵までのトレイルを下り、亀が淵からは遊歩道、そして竜神大橋への急階段を駆け上がってフィニッシュ!


フィニッシュ

 今回の最速タイムはスペシャルゲストランナーの鏑木毅選手。自らプロデュースしたUTMFの疲れもあったけど、さすが世界を舞台に活躍する実力を発揮されました。ゲストの鏑木選手は順位には入らず、公式な優勝はシリーズチャンピオンの平澤賢市選手。ロストタイムがなければもしや最先着!?といったところでしたが、ご本人は本来の走りが出来たようです。準優勝は須藤暁選手。第三関門まで鏑木選手に食らいつき、将来有望な選手のお墨付きを鏑木さんからもらいました。第3位は2週間前にUTMFを走りきり10位入賞している武藤尚一郎選手。強靭な体力を見せ付けました。今回一番の驚きは総合11位で女子優勝した山ノ内みなみ選手。19歳という若さ、久々にトレイルランニングの新鋭が現われました。準優勝は上宮逸子選手。いつも笑顔で晴れやかな走りが印象的でした。第3位は小林知美選手。戦績はNO.1、今回は久々のOSJシリーズ参戦を楽しんで走っていたようでした。


表彰式



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