POWER SPORTS | パワースポーツ「2017 OSJトレイルランニングレースシリーズ第10戦　OSJ KOUMI100」

長野県東部八ヶ岳の裾野にある、小海町。
標高千メートルを超え、昼夜の温度差が大きい地域は、そばの産地としても名高い。

大会会場は、壮大な八ヶ岳を一望できる、松原湖高原スケートセンター。

大会開催の前日、10月7日（土）14時。
選手受付のため、大会会場に集いだした。

会場内には、受付を済ませた参加者たち。選手は総勢280名。
過去最高の参加者数だ。

17時30分からは、競技説明会とパーティーも催された。

1周32kmを5周。
コースフィールドは、本沢温泉と稲子湯といった松原湖周辺。
ロード、トレイル、ロード、トレイルを繰り返す。
標高最高点は2,100m。

関門は4周目のスタート後28時間以内で走りきること。
そして、5周をスタート後36時間以内に走りきれば、完走。
4周目からは事前に申し込んだペーサー（伴走者）を同行し、走ることも認められている。

翌日10月8日（日）。夜明け前の早朝4時過ぎ。
会場では荷物預かりが始まる。
薄暗い中、スタートラインに立つ準備を済ませた選手たちが再び集う。
預ける荷物は、競技中用（デポバック）と競技後用の２種類の荷物。
とりわけ、デポバックは競技中のパフォーマンスを大きく左右する。

5時前には開会式が開かれた。
小海町観光協会黒澤会長の挨拶に、選手一同の士気が高まる。

刻々と空が明るくなっていく。爽やかな朝。

秋晴れに恵まれた。
八ヶ岳の山脈が、朝日に煌々と照らし出される。

選手280名。スタートゲートの前に整列する。
5時、号砲とともに一斉スタート。

天候には恵まれたが、選手らは小海町特有の寒暖差と向き合う。
日中は初夏のように暑く、夜はぐっと冷え込む。
空を見上げると、夜は星と月明かり。
昼は青々とした空に、煌めく太陽。
そして、八ヶ岳。

トレイルのほとんどは、コケ石が豊富なガレ場や走りやすいダブルトラック。

ほんのり紅葉し始めた木々の間を、走り抜く。

昼夜。
本沢温泉入口と稲子湯手前に設けられたエイドステーションには、
おかゆ、味噌汁、梅干し、ポテトチップス、コーラなどが提供される。
また、周回チェックする会場では、ドリンクやチョコ、飴玉のほか、打ち立ての信州小海そばも振る舞われた。

とりわけ、エイドステーションや会場で、
大会スタッフ、仲間や観客からのあたたかい声援が、
一人ひとり選手を後押しする。

そして、お互いを讃え合う、選手たち。

同じ周回コースでも、昼夜、見えるもの、感じるものは、毎回異なるフィールド。

一人孤独に周回を走るわけではない。

4周目。気心知れたペーサーが同行してくれる選手も目立った。

リタイアを英断した選手。
関門タイムアウトになった選手。
制限時間の36時間をクリアし、フィニッシュした選手。