雨でドロドロになりながら
テクニカルなコースを走る
「OSJトレイルランニングレースシリーズ」の中でも特に人気が高い「新城トレイル32K」。早くに定員が埋まってしまう、その人気の秘密は何なのだろう。
3月26日(日)、「新城トレイル32K」と、32kmを2周する「ダブル64K」が開催された。朝から冷たい雨が降る中、午前7時、まずは「ダブル64K」が、その1時間後に「32K」がスタートした。
スタートして3kmほど林道を走ると、トレイルの入口に着く。ここから先は道幅が狭く、渋滞が起こる。この渋滞を避けたいのなら、スタート地点で少しでも前のほうに並ぶといいだろう。渋滞を抜けた後、岩稜の急斜面を上り下りし、林道に出たらエイドのある亀石の滝に到着。滝を右手に見送り、再び山道へと入っていく。ここから先も急な上り下りの繰り返し。ましてや前夜の雨で道はドロドロ、大きな水たまりもある。岩場は滑りやすく、慎重に下らないと転んでしまう。実際に滑って足を泥だらけにしながらゴールする人も多かった。
そんな32Kのコースを2周するのがダブル64K。これに参加するには、過去の32Kのレースで5時間以内にゴールした者に限られる。いわば選ばれし者たちのレースなのだ。今回のダブル64K参加者は47名。果たしてここから何人が2周回ってゴールできるのか。
ダブル64Kでは長田選手が
2連覇、好記録を達成!
雨の中、まずは32Kのゴールを待つ。
トップで入ってきたのは、加藤聡選手。昨年2位に甘んじた加藤選手が雪辱を果たした。
一方、2周を終えて、ダブル64Kをトップで入って来たのは、昨年の覇者、長田豪史選手。2位と45分もの差をつけてダントツ1位で飛び込んできた。タイムは8時間54分29秒。今まで破られることがなかった、2015年に望月将悟選手が出した記録9時間6分を上回り、8時間台でゴールするという快挙を成し遂げた。ちなみに、ダブル64Kは出走者数47名のうち、完走できたのはわずか10名、完走率は21%だった。
前日行われた11K、そして今日行われた32Kとダブル64K、ともに雨の中での開催で、新城の本当の素晴らしさを味わえなかったことだろう。晴れた日なら、青空の下、周辺の山々がくっきりと姿を現す。特に南尾根の岩稜から見る景色は素晴らしいの一言。そんな風景が待っているからこそ、テクニカルな厳しいコースとわかっていてもリピートしてしまう。だから、今回のレースで新城の本当の魅力を味わえなかった選手は、来年、ぜひともリベンジしてもらいたい。そこには新城の絶景が待っているのだから。
取材・文/高橋 寿子
【OSJ新城トレイル32Kリザルト】
男子 |
女子 |
総合順位 |
氏名 |
記録 |
総合順位 |
氏名 |
記録 |
1 |
加藤 聡 |
4:05:31 |
1 |
楠田 涼葉 |
4:42:29 |
2 |
牧野 高大 |
4:19:56 |
2 |
新屋 祐希 |
4:59:01 |
3 |
牛田 美樹 |
4:20:10 |
3 |
冨澤 いずみ |
5:21:04 |
4 |
東 翼 |
4:27:41 |
4 |
大掛 香織 |
5:26:29 |
5 |
沖本 聖射 |
4:29:02 |
5 |
坪井 光穂 |
5:44:43 |
■出走人数652名、完走者数570名(完走率87.4%) |
【OSJ新城トレイルダブル64Kリザルト】
男子 |
総合順位 |
氏名 |
記録 |
1 |
長田 豪史 |
8:54:29 |
2 |
岩井 竜太 |
9:38:52 |
3 |
谷川 照樹 |
9:53:37 |
4 |
薄井 遥希 |
9:59:49 |
5 |
ウィリス マックス |
10:23:33 |
■出走者数47名、完走者数10名(完走率21.3%) |
32K
ダブル64K
photographer Akihiko Harimoto