OSJ安達太良山トレイル10Kの翌日に行われるのが、OSJ安達太良山トレイル50Kだ。
2024年9月7日(土)、10Kレースの選手たちが続々とゴールするなか、あだたら高原スキー場では13時から50Kの選手受付が始まった。
ヘビーなコースで知られるOSJのレースなかでも、この50Kは最高峰といってもいい。安達太良山、船明神山、障子ヶ岩、箕輪山、鬼面山といった山々を、上っては下り、再び上るというもので、平坦な道はほとんどない。
スタート・フィニッシュ地点は、10Kレースと同じあだたら高原スキー場。宿泊のベースは岳(だけ)温泉で、疲労回復と美肌に効能がある酸性湯の温泉が楽しめる。お天気が心配だが、なんとか明日午前中までは雨が降らないようだ。少しでも早くゴールできるよう、レース前日は温泉に入ってから早めに床につこう。
翌9月8日(日)、早朝。ヘッドライトをつけたトレイルランナーたちが続々とスタート地点のあだたら高原スキー場に集まってきた。3時15分~4時20分の間には大会シャトルバス(岳温泉~スタート地点)も運行される。4時からは荷物預かりが始まり、4時50分からスタートセレモニーが開始された。
セレモニーでは、岳温泉観光協会会長の二瓶明子さんの挨拶に続いて、2022年大会の50K優勝者で、サプリメントブランドGU Energyのサポートアスリートでもある須賀暁(すがさとる)選手からの話があった。それは、このレースで最も大切なことを語ったものだった。
安達太良山は国立公園の特別保護地区に指定されていて、途中、走行禁止区間が設けられている。しかし、残念なことに、これを守れないランナーがいたということだ。こうしたルールが守れないと、最悪、レースが中止になる恐れがある。
さらに、安達太良山はハイカーの数も多く、レース中はハイカーの方との共存も大切になってくる。ありがたいことに、ハイカーの方は概ね、温かい目で見守ってくれているが、逆にランナーがハイカーの方を無視した走りが見られた大会もあったそうだ。ハイカーとランナーが気持ちよく過ごすためにも、そして、安達太良山トレイルを末長く続けるためにも、最低限のルールを守ることを肝に銘じたい。
午前5時、レーススタート。快調な走りで第1関門の沼尻登山口に現われたのは、岩井竜太選手。続いて須賀暁選手が後を追う。この須賀選手、本当に楽しそうに走っているのが見てとれる。女子トップは上宮逸子選手。エキデンチームのトップも笑顔で通過していった。
安達太良山に続く5つの登山コースを回るようにレイアウトされているコースはハードそのもの。それでも声をかければ、選手たちは笑顔で応えてくれる。
コース途中には川を渡る渡渉区間もあり、ここで順位の入れ替わりがあった。結果、須賀選手が優勝、岩井選手が2位に入った。
女子は上宮選手がトップをキープしたまま、ゴール。じつは上宮選手、2年ほど前、股関節を故障し、一時は通勤時間の10分も立っていられなかったほどだったという。それが手術したことで、回復。終始笑顔で走る姿が光った。
フィニッシュ時間は、スタートから15時間後の午後8時。途中の苦しさを一斉見せず、皆、晴れ晴れとした顔でゴールしていく。それを見守るように、この時期、スキー場を彩るイルミネーションがキラキラと輝いていた。
取材・文/高橋寿子
【50Kリザルト】総合男子 | 総合女子 | ||||
総合順位 | 氏名 | 記録 | 総合順位 | 氏名 | 記録 |
1 | 須賀 暁 | 7:13:20 | 1 | 上宮 逸子 | 9:02:19 |
2 | 岩井 竜太 | 7:25:35 | 2 | 冨澤 いずみ | 9:39:31 |
3 | 丹野 沙音志 | 7:44:31 | 3 | 黛 莉那 | 9:55:38 |
4 | 工藤 祐輔 | 7:53:42 | 4 | 飯田 由美子 | 10:43:35 |
5 | 青木 純 | 8:24:01 | 5 | 岩崎 仁有生 | 10:49:33 |
エキデン | ||
総合順位 | チーム名 | 記録 |
1 | ふくしまTRC | 8:24:24 |
2 | 飯能ヤマノススメ連合 | 8:38:54 |
3 | 犬のように走る4Working Mans | 9:27:23 |
4 | しらかわかずきのやりたいこと全部やるチャンネル | 10:17:12 |
5 | 桃色吐息 | 10:49:53 |