KOUMIスタイル
OSJ KOUMI100は、前身である八ヶ岳スーパートレイルから派生し、小海町・松原湖周辺を舞台に生まれ変わった100マイルの周回レースだ。
当初は参加者100名にも満たなかったこの大会も、今では定員300名に達する人気大会へと成長した。
特に、100マイルに初挑戦するトレイルランナーにとって、この周回コースは非常に魅力的だ。
毎回同じ場所へ戻ってくるため、「やめる」ことも「続ける」ことも自分で選択できる。
挑戦を途中で終えることも、再びスタートラインに立つこともできる——そんな安心感が、挑戦への一歩を後押ししてくれる。
一方で、周回コースゆえに何度も同じ道を進まなければならず、メンタル面の強さが大きく問われるのも事実だ。
そして2023年から新設されたリレー部門。
参加チーム数は 11 → 20 → 35 と年々増加し、今やKOUMI100を象徴するカテゴリーのひとつとなった。
「ひとりで100マイルは無理でも、みんなでなら目指せる」
そんな想いを体現したコンセプトである。
自分と向き合う時間
この大会は、33kmを5周回する100マイルレース。
もちろん、1WAYで100マイルを走る大会もある。
同じコースを何度も進む周回形式は、単調だと感じる人もいるかもしれない。
しかし、初めて100マイルに挑戦する選手にKOUMI100をすすめる理由は明確だ。
「今年は何周を目指すか」という目標を立てやすく、
一度走ったコースだからこそ、次の周回に向けた戦略を組み立てやすい。
とはいえ、周回コースでも状況は常に変化する。
昼と夜、晴れと雨、気温の低下——同じ景色でも、まったく違う表情を見せる。
そんな中で前に進み続けるために必要なのは、やはりメンタルだ。
制限時間36時間、自分自身と向き合い続ける時間。
ソロで参加した選手は、この時間の中で新しい自分に出会うことができるかもしれない。
「昨年は3周止まりだったが、今年は4周行けた」
周回だからこそ、自分の成長を実感できる。
KOUMI100は、挑戦の結果が確かな“実感”として残る場所でもある。
仲間と楽しむ時間
KOUMI100の大きな特徴のひとつがセルフエイドだ。
スタート/フィニッシュ地点である松原湖高原スケートセンター周辺に駐車した自家用車や、テントサイトをエイドとして使用できる
セルフエイドエリア内であれば、仲間や家族によるサポートも可能。
特に力が入っているのが、テントサイトのスペース確保だ。
設営開始前から長蛇の列ができ、開始の合図と同時に一斉にダッシュ。
少しでも良い場所を確保しようとする光景は、もはやKOUMIの風物詩と言えるだろう。
中にはキャンピングカーを借り、大会期間中は“トレイルキャンプ”を楽しむ選手たちもいる。
フィニッシュを目指すレースでありながら、
走ることだけでなく、仲間と過ごす時間そのものを楽しむ——
それもKOUMI100ならではの魅力だ。
エイド名物・小海そば食べ放題と周回ごとに変わるメニュー
スタート/フィニッシュ地点では、地元スタッフがレース中ずっと温かい小海そばを提供してくれる。
冷え切った身体に染み渡る一杯は、次の周回へ向かう選手の大きな活力となる。
しかも、フィニッシュ時間まで提供され続けるのがありがたい。
コース途中には2か所のエイドが設けられ、
温かい飲み物はもちろん、にゅうへ向かうトレイル入口にある稲生湯エイドでは、周回ごとに変わるメニューで選手を迎えてくれる。
選手からは、補給食や飲み物だけでなく、
「ボランティアスタッフからの応援も補給になる」という声も多く聞かれた。
周回レースだからこそ、何度も同じスタッフと顔を合わせる。
その中で自然と距離が縮まり、応援が力へと変わっていく。
これもKOUMI100の大きな魅力のひとつだ。
ひとりで100マイル、みんなで100マイル
ソロ部門では、昨年の覇者・酒井亮児選手が序盤からハイペースで飛ばし、
1周目を 3時間11分 で通過。
しかし、そのペースはダメージが大きく、2周回でレースを終えることとなった。
その後は、昨年3位の加藤大祐選手と、2023年優勝の澤道人選手による優勝争いに。
4周目から最終5周目でラップを上げた加藤選手が、悲願の初優勝を飾った。
女子は、OSJトレイルランニングシリーズ年間チャンピオンの冨澤いずみ選手が3周回までトップをキープするも、急ブレーキ。
競技続行不可能となりDNF。
代わってトップに立ったのは村井絢子選手。
我慢のレース展開の中、着実に順位を積み上げ、見事初優勝を果たした。
そして、今年35チームが参加したリレー部門。
20代から60代まで、幅広い世代に支持されていることが人気を物語る。
リレーに共通しているのは、とにかく「みんなが笑顔」になること。
優勝したのは、地元長野県のメンバーで構成された
「笠原水産×Ssessionzz “里美八犬伝”実行委員会」。
夜中のフィニッシュにもかかわらず、メンバー全員が揃って出迎えた。
「仲間が待っているフィニッシュへ向かう」
これこそが、リレーの醍醐味だ。
1周33kmを襷でつなぐリレーは、まさに大人の運動会。
仲間のため、チームのため、襷に込めた想いをつないで迎えるフィニッシュは、何物にも代えがたい瞬間だ。
きっと来年は、さらにチーム数が増えることだろう。
KOUMIという唯一無二の大会
ソロで100マイルを目指す選手、
リレーで仲間と100マイルを目指す選手、
選手を支える仲間や家族、
最後まで温かいそばを提供し続ける地元スタッフ、
周回ごとに変わるエイドで選手を迎えるボランティアスタッフ。
それぞれの目的や目標、立場は違っても、
すべての想いが重なり合って作り上げられる大会——
それがKOUMI100だ。
これからも、選手、仲間、地元、ボランティア、
多くの人々とともに、この唯一無二の大会を継続していきたい。
参加してくれたすべての選手、
選手を支えてくれた仲間や家族、
選手以上の長時間、大会を支えてくれたボランティアスタッフ、
そして小海町のみなさんへ——
心からの感謝を込めて。
【OSJ KOUMI100 100マイル リザルト】
| 総合男子 |
総合女子 |
| 総合順位 |
氏名 |
記録 |
総合順位 |
氏名 |
記録 |
| 1 |
加藤 大祐 |
23:39:24 |
1 |
村井 絢子 |
30:16:03 |
| 2 |
澤 道人 |
24:40:18 |
2 |
伊藤 祥子 |
30:53:59 |
| 3 |
高橋 達律 |
25:40:26 |
3 |
丸山 有紀 |
30:56:17 |
| 4 |
小林 遼志 |
25:43:37 |
4 |
野路 康世 |
33:04:47 |
| 5 |
梅田 真臣 |
26:04:05 |
5 |
植松 ひろみ |
33:32:15 |
■出走人数:270名/完走人数:123名(完走率:45.6%)
【OSJ KOUMI100 リレー リザルト】
| 順位 |
チーム名 |
記録 |
| 1 |
笠原水産×Ssessionzz "里美八犬伝"実行委員会 |
17:23:51 |
| 2 |
夜山練 |
19:11:16 |
| 3 |
厚木大学 |
19:36:24 |
■出走数:35チーム/完走数:34チーム(完走率:97.1%)
Photographer Akihiko Harimoto