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宮古島〜石垣島シーカヤック横断の記録

多良間島

今日は、テント泊で、明日の朝出発する予定だった。が、宿に泊まろうか、という話になり・・・宿泊まりに。文明がありがたい(さっきと話が違う!)宿ではタイガーシャークの唐揚げを頂いた。はじめて食べたが、癖がなく、脂肪分のない肉のようだった。島人からささやかな歓迎を受け、交流が出来てよかった。

天気予報を見る。明日より明後日の海況が良くなる予報。状況が良くなるのであれば、安全策をとろう。明日は、のんびり、石垣寄りの港へ移動するだけとした。

翌日は、まったりするもの、島を1周ジョギングするもの、泳ぐもの、食べ物を探すもの、それぞれが、自由にくつろいだ。

皆とミーティング。変更した出発日の天候が、悪い方に転がった。宮古〜多良間に渡ったときより、さらに厳しい予報だ。午後からは、風があがる。撤退するか、進むか。

朝は、早めに出発して、午前中に石垣島のリーフに入れるか、がポイントだ。6時間で40km弱の海況横断。一昨日のペースで進めれば、十分、到着できる。
前半、石垣島の北を目指して航行。ある程度、島に接近できれば、石垣島を見失う可能性は、限りなく少ない。南北に30kmも伸びているからだ。潮流が強くないことはわかっている。後や横から崩れる波が、一昨日以上に厳しくとも漕ぎ渡れるのも、わかっていた。撤退しないといけない要素はない。よし出発だ。

10月17日

朝、5時起床。起きれば少し肌寒い。雨がぱらついていた。各自、朝ごはんを食べ、出発の準備をしている。忘れ物がないか、装備類は大丈夫か。特に、緊張感は無かった。自分達は行ける、という確信を持っているのだと思う。頼もしい。

今日、自分は、新しい課題を持って出発した。船の動かし方を変えてみようと思ったのだ。これは、森田&滝川艇の船の動きをみて、自分と操船の違いを見付けた為。彼らの船は、とてもスムーズに波を越えていた。

今まで、僕はガシガシ漕いで、波がくればブレイスし、受け止めていた。波を特別なものとしない。昼漕ぐときも、夜間漕ぐときも、同じ航行スタイルだった。夜は、波を見ながら対応出来ない。いつでも、波に対応出来ないといけないと思っていた。その為、自然と身についた漕ぎ方である。
しかし、タンデム艇では、シングルと同じように、動かせなかった。技術が伴っていれば、出来たのだろうが、今は駄目だった。波を見て、波にあわせて、カヤックのコースを選んで進む、基本のパドリング。波をまともに受けないようにすること。うまくいくかな。

相棒の亀ちゃんも、自分で工夫していた。ペリカンケースをデッキの前方に動かしている。これで、パドリングの邪魔にならない。それぞれが、海に出るたび、自分で考えて、上達していく。自分で考えて、解決策を発見し、改善していくことこそが、大切だと思う。

島影に入っている間は、おとなしかった波も、すぐに高くなってきた。普段、見える筈の石垣島は、雲にかくれて見えない。今日も、目的地が見えない航行だ。前半の波は、一昨日の横断と変わらないものだった。皆、波をいなしていく。自分は波を見ながら、微妙に船を動かし、こちらも快調。亀ちゃんも、好調。波の直撃が激減して、楽だ。

三浦&藤井艇は、波をかぶる回数は多いものの、うまく抑えている。森田&滝川艇は、変わらず安定した走りをしていた。

島が見えて来た。宮古側の沖合いから、石垣島を見たのは始めてだが、やはり大きい。残り半分。ナビゲーションもうまくいっていた。流れも小さい。今のところ、イメージどおりだ。

しだいに風が上がってきた。10mは、ゆうに越えているだろう。波も大きくなっていた。ただ、これは危険な状況ではない。カヤックの航行能力、自分達の技術を越えるものではなかった。この海況でも、恐怖に漕ぎが縮こまっていないことが、一番重要だ。

風や波で、コントロールを失う状況こそ、一番避けるべき事態である。これは、船でもカヤックでも同じだ。ただ、シーカヤックという乗り物は、機械ではない。穏やかな海でも、コントロール出来ない人もいる。シケでも動ける人がいる。乗り手の技術と精神力で、性能がとても変わる。百人十色の性能があると言って良い。だから面白いし、判断も難しい。

ときに壁のように盛り上がる波。その崩れる回数が増えてきた。海のパワーの直撃にあう度、ところどころで叫び声があがる。
「ウォ〜ウゥ」
声を出すことで、貯めた力を吐き出し、また気合を入れなおす。
思えば、一人の遠征の時も、大声をだしている。文明から離れて暮らす人々も、狩にでたとき、大声をだしていた。これは、人間の基本的な活動かもしれない。

僕と亀ちゃん艇の試みは、成功していた。崩れる波頭を、事前に察知してかわしていく。仮面ライダーがバイクで、爆発する台地を避けながら走るようだ。これは難しいことではない。見れば、誰でも崩れる波と越えらる波の違いがわかる。ただ、夜間航行になった場合、この作戦は使えない。やはり、波をまともに受けながら、航行しなければいけない。これはこれで、練習が必要だな、そんな事を考えながら漕いでいた。

「うわ、やばいの来たわ」亀ちゃんに言うのでもなく、独り言。丁度、そこに三浦&藤井艇が突入していくところだった。そのやや下手には、森田&滝川艇。これは、やられると思いカヤックを旋回し始める。白い壁が、カヤックを丸ごと飲み込んだ。パワー最大のところであたってしまった。
波が過ぎると、三浦&藤井艇は、沈していた。森田&滝川艇は、崩れた後の波を被っていたがセーフ。駆けつけると、今回は、前回以上に2人に余裕があった。
「ちくしょ〜、やられちゃったよ〜、ふふふ」
顔は笑っている。三浦さんは、帽子を飛ばされていた。
排水。再乗艇。
「いや、今のはでかかったですね」 「ブレイスしたけど跳ね返されたよ」
誰も慌てない。

炸裂する波が増え、森田&滝川艇も幾度と無く波を被る。
「久しぶりにバックプッシュロールしました」
森田さんが笑いながら、話す。川の人ならともかく、こんな海、タンデムでやる人始めてみた。基本技術と、その応用は、現場で使えて始めて意味がある。森田さんの技術は確実だ。

その後、三浦&藤井艇も、すっかり波に慣れているように見える。2人の動きが、シンクロしていた。ブレイスの動きもスムーズだ。もう大丈夫。

島が次第に近づき、リーフで炸裂した波が空中に舞っている。風は予報どおり強い。しかし、思ったほど、リーフ波は大きくなかった。それでも、安全にリーフの亀裂から、イノー(内海)に入った。ここは、今までの波が嘘のように平和だ。

11時30分。予定通り。素晴らしいチームパドリングだった。今は、漕がなくとも、時速6kmで南に進んでいる。外洋の緊張感と内海の安心感。この落差が心地よい。僕等は無事、渡ってきたんだ。

久松5勇士が到着した伊原間の浜は、もう目の前だ。石垣の友人とちゅらねしあのスタッフ雪ねぇが待っていた。ありがとう!!!きっと心配しただろうと思う。帰ってきよ。

最後に

全力を出してはいけない海のチャレンジ。自分がいかに海にあわせるか、という調和の旅。
今回は、チームの皆で一体感を感じることが出来た。苦楽を共にするといってもいいか。昨年の22時間に渡る団体遠征も、チームならではの発見や感動があった。今回も同様。なんとも素晴らしい。昔の人が、海を往来していた時代も、同じような感動があったのだと思う。

今回も、カヤックの安全性と可能性を発揮した良い遠征になった。まだまだ知られていないシーカヤックの世界。これからも、いろいろな活動を通して正確に伝えたいと強く思う。

個人的には、まだまだ未熟で、やるべきことの多さを実感する旅だった。ひとつひとつ考えて、海と安全に向きえるよう、改善していこうと思う。

最後に、今回も一緒に遠征を協力してくれた皆様、応援してくださった皆様、本当にありがとうございました。この場を借りて、お礼申し上げます。今後もカヤックの安全や可能性を考え、海の世界を広げる活動につなげていこうと思います。

八幡暁

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